2008年12月16日

はじめての郵便配達

拝啓
年賀状受付も始まり、現場ではそろそろ短期アルバイトの雇用が始まるのではないでしょうか?初めて外務アルバイトに応募・採用されたものの、どうやればいいのか不安な方も多いことと存じます。

そこで、あまり参考になるかどうかはわかりませんが、郵便配達の基礎的な事をご紹介いたします。

●まず始めに、自身が配達する地域の配達順番を覚えなくてはなりません。配達順番を矢印で明記した地図を渡されると思いますが、これは参考程度にするとして、なるべく現場を自分の目で見て覚えることを勧めます。
 
●初日、社員もしくは長期ゆうメイトが配達する後を自転車で付いていく、いわゆる「通区」という事を行います。その際に道順を覚えて行くわけですが、まずは「道を曲がる所」「Uターンをするところ」「ポストの場所」を覚えましょう。配達先によっては、ポストが無いところも有りますので、そのような所ではどこに配達するのかを覚えておきます。

●一通り配達先を巡ったら、地図で復習。「曲がる場所」「Uターン場所」等の景色を思い出し、地図への書き込みが可能なら、特徴なんかを記入しておきましょう。(例:公園の角を右折、マンションの次にUターン等…)

●いよいよ1人で配達を行う時が来たら、慌てずに郵便物のあて名を確認しながら、配達先を探します。基本的に配達する順番に郵便物が結束(は束)されていますから、道順どおりに進んでいけば、自(おの)ずと配達先の郵便が出て来るはずです。それを配りながら順路を進んでいきます。は束の紐はほどいて配達をして下さいね。たまに居るのですが、束ごと配って来ちゃう事例が有りますので、注意して下さい。

●地図は極力、見ないようにします。しつこいようですが自分の目で
見ながら配達していった方が覚えられますし、スピードも上がります。どうしても配達先がわからない郵便は、いつまでも時間をかけて探さずに持ち戻ります。まずは配達順路を最後まで回りきる事を目標として下さい。

●配達先は、いきなり全軒覚えようとせず(覚えられるなら尚結構ですが、至難の業ですぞ)、特徴ある名前や家、友人・知人と同じ名前なんかは比較的覚えやすいので、その辺りから覚えていきます。(例:○○権太郎、勅使河原○○助、好きな芸能人と同じ苗字、庭先に番犬が居る家など)
 また、トップナンバーの住所(1-23-や3-56-など)の家なんかも覚えやすいので、そこを基準に、その手前が○○さん、その隣が○○さんという感じで覚えていきます。

●大抵、配達先には近所同士で同姓の家や、類似姓が有るものです。誤配要因になりやすいので、そのような家はいち早く覚えます。全家族名が書かれた表札が掲出されていれば問題有りませんが、表札もなく、迷った時は持ち戻るようにします。

●番地は名前と語呂で覚えると良いでしょう。(例:大手町4-3-5 山田=ヨンサンゴの山田)

●わからずに持ち戻った郵便物は、担当者に聞いておきます。それを繰り返していく内に、自ずと配達先の家は覚えていくものですよ。

と、思いついたのはこんな感じです。決して川などに郵便物を棄てたり自宅に隠したりすることのないようお願い申し上げます。
         
     敬具
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 18:12| Comment(7) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

!誤配に注意!

前略

誤配注意.jpg
【誤配に注意】標識
誤配が多い、または過去に重大な誤配申告が有った箇所に設置。

どこの地域にもそんな場所有るでしょ?

配達中に「!?この郵便はどこへ配達したらいいのだろう!?」と悩んだときは要注意。
「だろう配達(注)」は厳禁。そんな時こそ誤配を発生させやすい。

迷ったら、配達に精通している易しい先輩や手渡し配達を試みて、お客さまに確認することを心掛けましょう♪

もうじき年末繁忙期。年賀短期アルバイトが配達先で途方に暮れている姿が目に浮かびます。

彼ら彼女ら、および誤配多発社員の為の道標として、今後、全国の街角に設置しまくるように脳内準備中です。(絶対お客さまに怒られるわな…)
                  草々
注:だろう配達……「ここに住んでいるだろう」「多分ここでいいだろう」「確かここだっただろう」など、自己の思いこみで配達すること。

posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 08:22| Comment(4) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月24日

配達途上でトイレに行きたくなったら

前略
前述の「地獄の9丁目ラーメン」を完食し、意気揚々と午後の配達に出発。しかし、ものの数分も経たないうちに異変が訪れた。

昼休みにあれだけ辛いラーメンを僅か20分で食べりゃ、腹も下るわけである。

いつもはしなやかに動く体が、メモリ不足のPCの如く思うように動かない。集中力が欠けて脂汗が止まらない。しかし、職務を全うせねば…という葛藤と闘いながら、「あと一束!」と歩を進める。

児童公園の便所付近まで何とか進み、これ以上限界と言うところまでキャパシティーが逼迫。駆け込むように大便室の扉を開けるも、トイレットペーパーが無い。当然の事ながら、配達にトイレットペーパーなど携行しているわけもなく、年賀状販売期間でもないので、粗品のポケットティッシュも無かった。しかし、もう時間はない。

郵便屋だったら、この非常事態にどう対応するべきか?

@急いで郵便局に戻り、局のトイレを使用する。
Aお客さまの家の便所をお借りする。
B雑木林や草むら等で済ます。
Cトイレットペーパーの代用品を探す。


@が安全な選択に思えるのだが、これは余裕の有る時の選択肢で、事を急ぐ様な場合は、局に戻る前に取り返しのつかない事になりかねない。また、配達地域によっては局へ戻る事で多大なタイムロスにもなる。時間指定郵便を持っているときに選択するのは難しいだろう。

Aは、親しいお客さまなら頼めないことも無いが、便所を借りるだけの為だけにお邪魔するのは、若干抵抗が有る。社会人として出来れば避けたい。

B郊外なら不可能でも無いが、都心部で実行するには場所の選定と勇気が必要だと思われる。と言うより、軽犯罪法違反ですなあ。
某伊豆諸島に長期出張中のバディ氏は、我慢できずに配達先の駐車場で用を足したと言っていたが、これには笑った。

と言うことで、急場を凌ぐのならば、Cが最良の選択肢では無いか?

この時、トイレットペーパーの代わりになるものと言えば、「不在通知はがき」しか無かったのである。
慌てて大便室に駆け込み、一気に用を足したのだが、ケツが熱い。唐辛子のせいか、ヒリヒリする。不在通知で拭き取り、ひとまず修羅場を乗り越える事が出来た。

このように、配達途上で不意に便意に襲われることが有る。同じ様な経験をした配達員も多いはずだ。
そんな目に遭わないためにも、また貴重な配達時間をロスしないためにも、是非、作業前にトイレへ行っておくことをオススメする。特に雨の日などは、雨に打たれて身体が冷えるため、必ず済ませておきたい。合羽を脱ぐだけでも大変なのだから。

配達先で悲惨な事にならないためにも、明日から貴班にてSKYTを実施して頂きたい。
                          草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 09:40| Comment(0) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月18日

集配課における業界用語の基礎知識

前略
新年度になって、期待を胸に郵便会社に入られた方や新たに採用されたゆうメイトさんは必ず採用時の研修を受けるはずです。そこで業務内容やら禁則事項やらを数日間(ゆうメイトの場合は1日)かけてお勉強するのですが、いざ現場へ配属されると、研修では聞いたことがない所謂(いわゆる)業界用語が集配課内に氾濫していることに気付くのではないでしょうか?何のことだかわからなくてオロオロしていたら、先輩にダメ人間扱いされたなんて事はありませんか?諸先輩たちは無意識のうちに業界用語を標準語のように使っているので、つい、新人さんやお客様にも平気で「マルツ」なんて喋っちゃうんですよ。
そんな不安・お悩みを解消するべく、集配課における業界用語の基礎知識を50音順に、シリーズで紹介いたします。

なお、わたくしは現場を離れて久しく、尚かつ既に円満退職してしまいましたので多少、情報が古いかも知れません。その点につきましてはどうかご容赦願います。
また、現場の方々から、用語の意味が間違ってるぞ!というご指摘や、用語を追加しろ!などというご意見が有りましたら随時、受け付け・更新いたしますので、どうぞコメントを介してご連絡くださいませ。ローカル局の少数派用語などでもOKです。                            草々

posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 13:41| Comment(4) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月17日

選挙郵便

前略
来月に実施される統一地方選挙に伴い、いよいよ来週から入場券の受け入れ等が始まり、選挙繁忙に突入いたします。
よりによって滅茶苦茶忙しい年度末に重なるとは…。

ところで選挙の公示日を迎えると、入場券をはじめ、不在者投票用の郵便や候補者が差し出す選挙郵便が大量に出回ります。職場内でも選挙郵便用の区分函や事故郵便入れが設置されて慌ただしさを増してきます。

ひとつ疑問に思ったのは、候補者が差し出す選挙運動用の郵便。ハガキの左上にさびききょう色「選挙」と表示された郵便であります。公職選挙法により候補者は「無料」で差し出す事が出来るこの郵便ですが、果たして民営分社化された後も「無料」で引き受けるのでしょうか?
ただでさえ取扱い方法・管理が厳しい上に一般の郵便とは分別して扱い、尚かつ優先して「転送処理・返還処理を実施せよ」とお達しが出る。お客様から郵便料金を頂いている郵便物よりも、無料受入の選挙郵便の方が厳重に、慎重に、優先して取り扱われる。

選挙繁忙期には日本国内在住の有権者すべてに投票入場券が郵送される。都市部においては1日では配達しきれないため、数日かけて配達となる。
そして不在者投票用の速達郵便。通常、速達郵便はお客様がご不在の場合はポストへ投函されるが、不在者投票用の速達郵便は手渡し原則で、受取人様に会えるまで何回も足を運ぶ。
そして、とどめに件(くだん)のさびききょうはがきが大量に出る。
この選挙繁忙期間にかかる経費は幾らになるのであろうか?
無料差し出しの郵便を処理するのに幾らの経費がかかっているのか?
まさか民営分社化された後も、無料で引き受けするのかな?そんなお人好しでは無いですよね?
民間会社になれば当然、候補者からも料金を頂戴するように法改正されるのですよね?
まさか郵政民営化を提言された政治家様方が無料で郵便をご利用されるとは思えませんし。都合良く郵便を利用したりしないですよね?

小包委託業者さんや組立ゆうメイトさんをリストラする前に、ちゃんと取るモノはしっかり取るようにしないといけませんよねるんるん
                             草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 18:45| Comment(1) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月01日

郵便物の不着

前略、
「不着」とは文字通り「郵便物が届かない」事を言う。
書留郵便やエクスパックならば、バーコード入力による配達追跡調査で現在の状況が大概把握できるのだが、記録の残らない普通郵便となると不着の調査には時として膨大な労力と時間を要する事が有り、我々として嫌な案件の最たるものである。

まず不着の要因として考えられる事は…
●誤配達
●誤返送・誤転送
●あて名が不正確または不明瞭・誤記
●貼付されたあて名部分が脱落
●差出人様が出していない
●流通上の問題
●料金不足
●差し出し局から到着局までの間に何らかの事故が起きた
●第三者による郵便物の抜き取り
●配達後の問題

などが考えられるだろうか。

《誤配達》
恥ずかしい話であるが、誤配達が原因で正当受取人様に郵便が届かないと言う事は実際に有る話です。「郵便が届かない」という申告を受けると、まず配達人に当該郵便を見た記憶が有るかどうかの確認をし、合わせて現場周辺の調査も行う。類似番地や類似氏名宅へ誤配、空き家・空き室・空きポストへの誤配が考えられるからだ。調査の結果、当該郵便物が発見されれば速やかに正当受取人へ謝罪・配達される。当然「誤配」した者には処分が待っている。

《誤返送・誤転送》
転居届が出ているにも拘わらず、転居届け・転送期間の見落としや、届け出受理時の転送先入力ミス、転送シールの貼付ミスが原因。この場合は返送・転送先から「間違いではないか?」とのご連絡を頂くので、原因は比較的特定し易い。

《あて名が不正確または不明瞭。誤記》
これが意外に多い。郵便番号や地名が不正確だと、配達局まで到着せず、中継局で迷子になってしまったりするのである。到着局まで届いても丁目・番地や号室数の誤記が有ると、区分が出来なかったりする。
地名の頭に北とか新とか南とか上とか付くような類似地名が有る所は書き漏れが非常に多いので要注意。アパート名や会社名も省略せず、ご面倒でも正確に書いていただきたい。氏名も苗字だけしか書かれていないと、同一番地に複数件の同氏名宅が有る場合に配達が困難となる。
昨年暮れ、「先方がクリスマスカードを12月中旬に出したと言っているのに25日になっても届かない」という不着申告が有った。結果は、お孫さんがお婆ちゃんに宛てたカードで、住所が間違っていた為に差出人様へ戻ってしまい、戻っていた事がお孫さんからお婆ちゃんに伝えられていなかった為、受取人のお婆ちゃんから「まだ届かない」とクレームになったのだ。
受取人様から差出人様へ、あて先は正確にお伝え願いたい。また差出人様から受取人様へも、今一度あて名の確認を願いたい。お子様がお出しに成られる様な時は是非、親御さんの方からも誤りが無いかあて先を確認していただきたい。
これらあて名の不備は誤配達の要因にも成りかねないのです。

《貼付されたあて名部分が脱落》
これはどういう事かというと、ダイレクトメールなどによく見られるタイプで、「あて名部分」があらかじめシールに印刷され、郵便の表面に貼付されているものが、のり付けが弱かったり、不可抗力によって脱落し、あて名の無い迷子郵便と成ってしまう。

《差出人様が出していない》
不着申告で必ずと言って良いほど「先方は出したと言っている」と言われる。しかし、普通郵便の場合、郵便局側での引き受け記録のような物が残らない以上、先方が「出した」と言えば、受け取る側は信じるしかない。実際はこれから出すところでも「出した」と言われてしまえば、明日・明後日には届くだろう…と考える訳でありますが、調査の過程で、差出人様に「何月何日何時頃、どこの郵便局(もしくはポストから)、切手は幾ら分貼付したか、封筒の色、大きさ」等々の確認をすると、矛盾する点が間々出て来る事がある。受取人様からの督促に、拠所無い事情で「出しました」と言ってしまったのだろうか。

《流通上の問題》
台風や地震、航空機の欠航・遅延、高速道の交通渋滞、通行止めなどにより輸送便が乱れ、大幅に送達日数に時間がかかり配達局への到着が遅れたときに起こり得る。海外からの郵便の場合は更に戦争・紛争などによる影響を受ける事もある。

《料金不足》
料金が不足の場合、郵便は差出人様へ戻ってしまう。この事が受取人様へ伝わらないままだと、差出人様が改めて正規料金で再差し出しするまでのタイムラグが生じて「先方が出したと言っているのに届かない」という誤解が生じてしまう。

《差し出し局から到着局までの間に何らかの事故が起きた》
例えば郵袋の出し漏れや自動読み取り区分機に挟まってあて名部分が損傷・汚損してしまった等。ごく稀であるが、街角のポストにタバコなどを投げ入れられ中の郵便物が焼失したという事件も。

《第三者による郵便物の抜き取り》
第三者とはあて名の人物以外の者を指し、ストーカーや泥棒、家族や知人の嫌がらせ等。残念だが、職員・非常勤職員による抜き取り犯罪も有る。勿論、懲戒処分が待っている。
数年前の年賀状配達で、「元旦に年賀状が一通も届かない!」という申告が有り、懸命の捜索の結果、実はその家の子供が既に受け取っていて、両親へ届いた分を渡し忘れていた…という案件が有った。

《配達後の問題》
屋外の郵便ポストなどで、裏蓋が破損・全開しているような場合、配達後に何らかの不可抗力(チラシや新聞の投函)によって郵便がポスト外へ落下、風に飛ばされ亡失、と言うのが有る。郵便をポストに配達した直後に裏蓋が壊れていたためそのまま落下する事例は多々有った。勿論、拾って再び投函するのだが、投函後の不可抗力による再落下について迄は関与できず。ポストの修理、施錠を願いたい。
また、マンション・アパートで見られるのが、ポスト内に溜まりに溜まった新聞・チラシの山の中に紛れた郵便物に気づかず、チラシ等と一緒に捨ててしまうと言う事。実際、共用のゴミ箱にチラシに紛れて捨てられた郵便物を見た事が有る。故意に捨てたのか否かは判らないが。

以上のように不着に関しては非常に多くの要因が考えられ、記録も残らないため調査が非常に困難である。今日、通信はメールの普及により早い事が当たり前となり、1日でも延着しようものなら「裁判を起こすぞ」と言われてしまう世の中だ。実際、郵便局側にもかなりの落ち度がある。精度がさほど良くない自動読み取り区分機が絡む事故や普通郵便でも民間のメール便のように最低限、バーコード貼付で追跡記録が出来る様なシステム構築をしておかないと競争には勝てませんぞ、当局様。でないと膨大な不着申告は一向に減らせ無いのではないか。                   草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 16:42| Comment(10) | 郵便配達 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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