2008年08月24日

地獄9丁目

前略
「地獄9丁目」と言っても、地名の話しではない。ラーメンの名前である。

今から10年ほど前、後輩Wが「昼休み、駅の近くにある地獄の9丁目ラーメン食べに行きましょうよ!」と誘ってきた。

地獄の9丁目ラーメンとは、香辛料がたっぷりと入った最高級の激辛ラーメンの事で、その辛さの度合いで1丁目から9丁目まで街区分けされている。そして、その店では「9丁目ラーメン」を20分で完食したら、何とタダになる上に店内に名前が掲示されるという。これは食べに行くしかない!と、勇んで後輩とラーメン屋へ行き、9丁目を注文。数分後、出て来たスープは、まるでジャンそのままのような真っ赤な色。
さらに唐辛子の粉末が麺の上にたっぷりと振りかけられている。これはイイ♪
店長のカウントで食べ始めたのだが、元来、辛さに強いので順調に箸を進める。スープを飲む毎に脳みそがスゥ〜っとする初めてのふしぎな感覚を味わった。スープも残してはならないのだ。

そして20分経過…

滴る汗を拭いながら見事に地獄の9丁目ラーメンを完食。料金はソフトバンクも驚きの0円!さらに賞状みたいなものをもらった記憶が有る。ちなみに後輩Wは何故か3丁目ラーメンを食べていた。裏切り者め。
しかし、目標を達成した充実感でいっぱいのワシは、気分良く局へ戻り、早速、当時の副班長以下、諸先輩方に自慢しまくった。もう完全に浮かれていたのである。この後、さっきの代償が来るとも知らずに…。

「配達途上でトイレに行きたくなったら」に続く…
                             草々


posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 09:47| Comment(2) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月22日

期間雇用社員はどうなるのか?

前略
フミンチェンさんからのコメントに対する返信も兼ねまして。

ウチの支社では昨年、(実際にはそれ以前から?)支社指示(大本は本社?)でゆうメイト削減計画が有りました。フミンチェンさんの支店では雇用があるかどうかわかりませんが、都市部の集配課では「組立ゆうメイトさん」という方が居ます(詳しくは業界用語の項を参照されたし)。
その組立さんにまず白羽の矢が立てられ、”組立ゆうメイトは全員解雇”というものでした。人員削減の根拠は、あの下らないウソ報告のMHでしょうか。当時、計画でゆうメイト担当だった私が、それを告知せねばならないという、重責を課せられた思いが甦ります。あの時は胃が痛かった〜。
悩む私に課長が知恵を絞り、「組立ゆうメイトとしての雇用ではなく、全員を計画ゆうメイトに雇用変更し、計画係から各班へ派遣する…」という形にしました。しかし、その後も支社から、「いつになったら辞めさせるんだ」とか「まだ雇用しているのか」といった電話が度々有ったようです。課長も必死に「組立が居なくなったら集配が回らなくなる!」と、電話で反論していました。
しかし、それまで週5勤・4時間雇用だったものを、週3勤・3時間雇用に条件を変更すると、退職を申し出るメイトさんが何名か名乗りを上げました。「食べていけない…」と。

組立ゆうメイト人件費の抑制を図るも、必然的に配達業務の超勤が増加。しかし、しばらくして何故か突然、支社から方針が変わったとか何とかで、組立さんを辞めさせるなと言ってきたようです。詳しい原因はわかりませんが、組合が関与していたのかな?

そうそう、少し前に期間雇用社員を大量に正社員化すると報道発表されていましたが、あれはどうなったのでしょうか?民営化時に契約社員登用だのエキスパート社員採用だのが書かれた文書を見たけれど、登用条件を読んだら、今の社員なんか半分くらい当て嵌まらんぞ。

営業やらない、誤配は繰り返す、悪びれることもなく能書きは一人前、遅刻・突発、ウン十年勤めていても進歩しない、向上心もない、
有り得ないでしょ。

酒の席で、課長の「あんなのいっぱい飼っているんだからなあ…。郵便局潰れちゃうよ」の言葉に思わず笑ってしまいました。どの支店にも名物人間は居ますからね〜。そういうのから削減していった方が生産性も向上するのでは?
                             草々





posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 13:37| Comment(4) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月04日

高校生ゆうメイトの給与豆知識

前略
昨年末の年賀繁忙期の出来事。

年末年始の外務ゆうメイトとして応募してきた或る高校生♂が、出勤初日に無断欠勤。家に電話をすると母親が出たので事情を説明。しかし、息子さんが郵便局でバイトをする事を全く知らなかった様子。更にその後、受話器越しから「(母)早くバイトに行けよ!」「(子)うるせーんだよ!」ともの凄い親子バトルが始まってしまった。暫しの論戦の末、息子さんが電話に出たので、無断欠勤はいけないんだよ〜と紳士的に諭してあげた。この日は出勤できないので明日は必ず出勤しますとのこと。

あまり仲の良くない親子かな…という印象だった。

翌日、件の少年が出勤してきた。

「おはようございます!」

しっかり目を見て挨拶の出来る子だった。仕事に関しても、最後まで責任を持ってちゃんとやり遂げる子で特に問題は見られなかった。ところがその日の午後、その少年の母親から或る件で電話が入った。

年末年始アルバイトの給与はゆうちょ口座に振り込まれることになっており、口座未開設の者は新規に口座を開設してもらう事になっていた。実は、その件についての電話で、要は息子の口座を開設する時間が無いので、私(母親)の口座に給与を振り込んで欲しいと言うことだった。初めてのケースだったので即答を避け、総務の給与担当に相談すると、答えはNOであった。

再び少年の母親に電話をかけて事情を説明したのだが、ご納得いただけない様子。「息子に金を渡すとロクなものに遣わないから私が管理する!」というのがママの言い分だ。問題があるのは母親の方だったのである。

夕方、なんと母親が窓口に来て「私の口座に振り込むようにしろ!」と騒いでいるという。総務の担当者が改めて事情を説明し、お帰り頂いた。

年が明けて、少年は初日の無断欠勤以外、しっかりと最後まで働いてくれた。働かない古株の正社員よりもしっかりと働いていた。
「今年の年末も来てくれよ!」と言ったら、「はい、また来ます!」と言ってくれた。私は居ないが…。

後日、テレビを見ていたら、今回のケースと非常によく似た事例について解説をしていた。それによると、
労働基準法第59条にて、
賃金請求権
 未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代って受け取ってはならない。」

としっかり規定されている。例え親が管理するからといっても、代わって子供の給与を受け取ることは違法だと言うことだ。

果たして、少年が汗を流して働いた見返りは、ちゃんと少年の手に渡ったのだろうか?今頃になって、ふと思い出した、年末の出来事でした。
                              草々


posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 20:57| Comment(0) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月02日

ピンポンダッシュ

前略
マンションなどへ書留や速達郵便を配達する際、不覚にもあて先に書かれているお部屋番号と違うお部屋のインターホンを押してしまうという失態を演じてしまった事が、長い郵便配達人生の中で何回か有りました。思いこみからか、将亦、時間に追われている焦りからか、隣の部屋や違う階層、隣の棟の同部屋番号と勘違いしてしまったりといったものでした。
何故か、そんな時はインターホンを押した瞬間に部屋が違うことに気づき、身体が一瞬、凍り付いてしまうのであります。
ある時、ベテランのG先輩にそんな体験は無かったかと尋ねたら「有る!今日やった。」などと言われてびっくり。間違いに気付いた後、どうしましたか?と尋ねたら、「すぐに走って逃げた」との回答にさらにびっくり。
ちなみに私は間違いに気付き、身体が金縛りにあった後は、息を殺してただインターホンの反応を見て、何も応答が無ければその場を立ち去り、残念ながら応答が有った際は「郵便局ですけれど、こちらに**さんはいらっしゃいますか?」などと誤魔化して、スルーいたしました。

そんなG先輩は、既に数年前に退職してしまいましたが…。

 「インターホン 押すその前に 再確認」 伝之助

あて名は良く確認してから配達いたしましょう〜mail to
                              草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 12:02| Comment(4) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

ゆうびんやさんのお給料って

前略

あれは8年くらい前の事だったか?

ある日の夕刻、某コンビニへ配達をし、次の配達先住所を確認していた時のこと。こちらに近づく人の気配を感じたので、振り返ってみると、当時流行っていた山姥メイクの20歳前後と思(おぼ)しきおなごが立っていたのである。するといきなり、「あのぅ、郵便屋さんって、給料、幾らぐらいなんですかぁ??」と聞いて来るではないか。なんや初対面で失礼な奴だなあと思いながらも、「まあ、残業代込みで手取り25万(当時)くらいかな?」と親切に答えてやったら、「25万!?…安っ…」とぬかしやがったわ。余計なお世話じゃい!
残業しなかったら22、3万じゃ!参ったか!!

なんでこんな昔話を思い出したかというと、いま居る職場で20代前半の若者との会話の中で前職についての話題になったのだが、前職業と給与額をお話ししてあげると、皆、一様に驚くのである。「えッ!公務員だからもっと給料高いと思いましたよ…」と。
どこからそんな発想がでてくるんじゃ?逆でしょ〜。ワシが郵便局に入った当時は、友人らの中でも手取額が最下位、色々からかわれたりしたもんである。バブルがはじけて景気が悪くなったとは言え、「給料高過ぎ」と言ってくる勘違いな輩の方が、ワシよりいい家に住んでイイ車を転がしているのである。

大方、「給与が安定」「給与が高い」と勘違いしているのか、ボーナスの支給日になると、各新聞紙に掲載される「公務員のボーナス平均支給額○○万円、内閣総理大臣は○百万円」などという記事を額面通りに受け取っているのであろう。ワシはあの「平均支給額」以上の額をもらったことなんぞ、はっきり言って一度も無かった!キャリアと同額なんぞ、もらえるわけがない。世の大人たちも、おのれのお子さんに「公務員は給与が高い」なんて嘘を吹き込んだらいけませんぜ(一部の高級官僚は除く)。たくさんゼニが欲しいんなら、いっぱい努力して医者になればいい。その方が医師不足問題も解消される。

「郵便配達 給料」というキーワードで、ここのブログに辿り着いた方もいらっしゃる事と思うが、雨に濡れて、汗まみれになって、紫外線をたっぷり浴びて、霜焼けで手がカサカサになって、いっぱい自爆営業して、犬に噛まれても決して高給ではないので誤解の無いように。

あの8年前の山姥は、いまどんな仕事をしているのだろう。
                            草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 23:18| Comment(13) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

あの夏の日

拝啓、
お盆休みで皆さん故郷へ帰省されているせいか都内の道路はガラガラ。
アスファルトから立ちのぼる陽炎(かげろう)がゆらゆらと揺らめいております。

 私が郵便局に入ってまだ新人と呼ばれていた頃、1993年8月のある非番日を利用して埼玉県の大宮の先、蓮田(はすだ)という所へ写真を撮りに行こうとバイクを走らせた時の事ですが。「大宮」と言えば新幹線も停まる大きな街だが、大宮から少し北へ行くと田園地帯が広がるのどかな風景に出会えるんですよ。なので写真を撮りに蓮田へはそれまで何度か足を運んでいたのですが、一応地図を確認しながら目的地を目指し走っておりました。大宮市街を抜けてしばらくすると産業道路が混み始めてきて「こんな所で渋滞なんて珍しいなあ?」なんて思い、バイクの機動性と郵便屋の悪いクセである「思いつき近道」をしてやろうと渋滞回避のため脇道へ逸(そ)れた。太陽の位置と勘だけを頼りにバイクを走らせていると、徐々に人気(ひとけ)の無い道へ迷い込んでしまいまして…。私道なのか地図にも載っていないので自分がどこに居るのかも判らなくなってしまい、取り敢えず再び前へ進むことにしたんですよ。今までアスファルト舗装された道路が段々ひび割れたガタガタの悪道になり、やがて砂利道に成ってしまった。何だか山道のような所へ入って来てしまった様な感じで「狐につままれる」というのは正にこんな時のことを言うのでしょうね。更に砂利道を進むと、空を覆い隠すような鬱蒼とした木々が道の両側に立ち並び、よく見ると、所々にお地蔵さんが建っているんですよ。それもかなりの歴史があるようで、首が欠けていたりしている地蔵なんか有るし、昼間なのに生い茂った木々のせいで道が薄暗い…。そんな暗い中でお地蔵さん達がこっちを見て笑っているのを見てたら、ちょっと背筋がひんやりして来まして、バイクのアクセルグリップを意識的にひねってスピードを上げました。怖いので両側のお地蔵様を見ない様にしながら走っているとやがて前方に太陽の明かりが見えてきまして、ようやく木々のトンネルを抜けられた。
…と思ったら自分が走っている砂利道の左側が10メートル程の崖になってまして、その眼下に見えるのが全〜部、お墓なんですよ。辺り一面かなりの数の墓石。「うわあ…今日は絶対、変な日だ〜」なんて思いながらお墓を見ていたら、なんだか引っかかる。素通り出来ない。ぐるっと正門へ回り込んでバイクを停め、お線香(花も買ったかな?)を買ってその墓場へトコトコと入ってしまったんですわ。自分の心の中では「まさかな…」と思いつつも、かすかな記憶の奥底にあるものを辿って、「この奥かな…」と一点の方向へ歩いて行った。ある墓石の前に立ち、そこに書かれた名前を見て「やっぱりそうだったのか」と安心した。幼い頃に父親に連れられて何度か墓参りに来たことのある私の祖父の墓だった。生前は肩ぐるまをしてもらった位の記憶しか無い祖父に線香をあげ、柄杓で墓石に水をかけた。何年も顔を出さなかったので呼ばれてしまったのかな?
10数年前の実際の夏の出来事でした。

ちなみにあれ以来一度も墓参りには行かず。行こうにも場所が判らないからだ。あの日、呼ばれる様に墓場へ辿り着いたのが今でも不思議で仕方ない。モバQ霊の存在とかはあまり信じられませぬが、不思議な事というのは有るもんなんですね。

陽炎がゆらめくお盆休み、皆さんはお墓参り済ませましたか?     
                       敬具
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 12:50| Comment(2) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月13日

渡せない郵便2

前略、私自身が経験した話をひとつ。何年か前に或るお宅へ書留の配達に行った時の事で、「○○さ〜ん書留で〜す」とお呼びし待っていると、家のドアが開くや否や、その家のお爺ちゃんが「たっ、助けてくださいっ!! 彼らが私の事を連れ去ろうとするのです!!!」と私の手を取って助けを求めてきた。「がく〜(落胆した顔)ええ〜ッ!?」と困惑しながらも条件反射的に「大丈夫ですか!!」とお爺ちゃんを家から引っ張り出し、「オラオラオラーッ」の勢いでお爺ちゃんが言う「彼ら」の方を見てみると、明らかに強盗などとは思えない男女ふたりが何事もないように家の中から出て来たのである。全ての状況を認知した瞬間、ちょっと恥ずかしくなってしまいまして、息子さんに書留をお渡ししその場をそそくさと去りました。往々にして、認知症の方が同居されているお宅ではご家族の方から「絶対に手渡ししないでポストへ配達してくれ」と言われていたり、若しくは留め置き扱い(局留めとは違います。念のため)にして、定期的にご家族の方が郵便局まで取りに来られるといったケースが多いです。草々
posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 11:17| Comment(2) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月01日

ある夏の出来事

謹啓、あれは2005年の盛夏、カンカン照りのクソ暑い日中の出来事で、T2丁目の某マンションへ配達へ行った時の事。ドアを開けてマンションのエントランス内へ足を踏み入れると中から異臭が。
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posted by 伝之助(元ラブログ内郵便局長) at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | フラッシュバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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