北海道のJR石北本線常紋峠に33年ぶりにSLが走ると言うことで、金曜日の夜から北見方面を目指して出発。途中、24時間温泉「恵庭の湯」で汗を流す。それにしても千歳市内、特に空港周辺の検問は凄い!大阪府警だの宮城県警だの、さながら全国の警察博覧会といった感じで、応援警官隊による検問が随所で昼夜問わず行われている。
ひとまず道東道を横断、池田まで一気に走り抜け、あとは国道を北上。異変に気付いたのは足寄を過ぎたあたりからで、やたらとヘッドライトに浮かび上がるエゾシカやキタキツネの数が目立つ。異常に多くないか?陸別付近では、あわや飛び出してきた鹿と衝突しそうになったが、エゾシカ自身が直前でこけてくれたのと、ABS(アンチロックブレーキシステム)のお陰で間一髪セーフ。お陰で眠気もふっとんだわい。

▲まさにこの看板の絵のように、道路脇から鹿が次から次へと飛び出してくる。
そして目的地まであと数キロと言うところでやってくれたわ。運転する車の右前面にエゾシカが突っ込んできた。ブレーキを踏む間もない一瞬の出来事。鈍い金属音が響き、鹿は跳ね飛ばされ道路脇のくぼみに転げ落ちていった。車を停めて状況を確認すると、バンパーは凹み、ボンネットは開閉不可、運転席のドアもちょっとしか開かない。
110番に電話して、現場検証をしてもらいました。早朝4時過ぎ。お巡りさんごめんなさい。

▲衝突跡に鹿の体毛と糞がついていた。
聞くところによると、鹿との衝突事故は道東地方では相当多いらしい。パトカーや列車との衝突も有るそうだ。当たり所が悪いと、鹿の蹄(ひづめ)に蹴られて死ぬことも有るという。ちなみに私がはねた鹿は現場に見当たらず…。どうやら生きていて、山の中に逃げていったらしい。
気を取り直し、常紋峠を目指す。

▲峠への入り口に有った看板。鹿の次は羆(ひぐま)である。脅しではない。(※実際に翌29日、この林道にヒグマが出没。立入禁止になり、一番の人気アングルへの道は封鎖された)
バンパーがぶらんぶらんになっても怯むことなく走り続ける。林道の入り口に駐車し、ここから約45分間のプチ登山となる。
目的地の常紋信号場(今回のSL運転区間のハイライト)に辿り着くと、既に50人以上のカメラマンが怪気炎を上げている。そそくさと隅の方に場所を決め、時間までじっと待つ。

▲午前10時。爆煙と共にC11がゆっくりと峠を登ってきた。周囲からは、もの凄いシャッター音の嵐が聞こえる。雰囲気を出すためにモノクロでUP。(石北本線 金華〜生田原)
撮影後、北海道新聞の記者からインタビューを受けたので、徹夜で来ただの鹿を跳ねただの色々と宣(のたま)わった。早速、道新の夕刊をセイコマで購入し、記事を確認するも載っていない!くぅ〜、あの記者め……と思いきや、29日付の朝刊「SL常紋号」の記事中にしっかりとわたしの素晴らしきコメントが載っておった。9割はカットされていたが、しっかり実名で載っている。北海道新聞を購読されている方は是非チェックされたし。

▲線路伝いにキツネが歩いてきた。ファインダー越しに目が合った瞬間をパチリ。目つき悪いのう〜。

▲生田原付近で見つけた、枯山水のような畑。それにしても、エゾシカ、ヒグマ、スズメバチ…。道東地方に行かれる方は充分注意されたし。
草々